逆にある意味ファインプレーっす【曇後雨】2005年07月08日

 「スターウォーズ・エピソード3・シスの復讐」が明日から公開だ。
 僕は先行上映で見ているが、もう一回以上は、又見に行くつもりだ。

 新シリーズのテーマは、かなり深いテーマだろう。だからやりようによっては、かなり重厚なものにできる可能性はある。僕の考えでは、あのテーマだったら4時間半位の大作になってもいいくらいだと思っていた。
 やりようによっては「ゴッドファーザー」みたいなイメージの映画になっていた可能性だってある。良く考えれば「ゴッドファーザー」は、真面目な青年だったマイケルが、運命に翻弄されダークサイドに堕ちていく映画だ。

 だが、今回のエピソード3は、テンポ良く、2時間半という、たぶん今までのファンからすれば、ちょっと物足りない位の時間でまとめられ、あっという間に終わる感じになっている。
 ルーカスは、このシリーズが重厚でシビアな方向へ行くのにちょっと抵抗があったフシもあって、あくまでも冒険活劇の精神は残しておきたかったようなことを言っていた記憶がある。

 確かに、今回そうした活劇的な要素に関しては、全く問題無い。オビワンもアナキンもヨーダも大活躍だ。
 おそらく一部の芸術志向のファンの為の映画よりは、万人に受ける娯楽大作を目指したのだろう。
 シリーズの最終作とあっては、やはり冒険活劇風な味は前面に出さなくちゃスターウォーズでは無い、といったところか。

 ちょっと感傷的な味もあり「ゴッドファーザー」よりは、「タイタニック」方向よりなのかもしれない。
 ただ、さすがコッポラの弟子とも言えるルーカスで、どこかの雑誌に指摘されていたのであるが、後半でオーダー66というのをシスが発令し、ジェダイが裏切られ次々と殺されていくシーンがあり、そこは「ゴッドファーザー」で、マイケルが父の死後、自分の取り巻きだった人物達を、次々と暗殺していく件に良く似ている、とあって、確かになるほどナ、と思った。

 あれだけの深刻なテーマを、こうした活劇風にコンパクトにまとめられるのは、僕個人的にはもっと長くして欲しかったという願いもあれ、アンタチャブル風に言えば「逆に、ある意味アリガタイっす」、というか、「逆に、ある意味やっていただきました」、って感じっす。